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謎解き 広重「江戸百」
原信田 実
集英社
978-4-08-720389-9
広重の有名な『名所江戸百景』、略して『江戸百』。
絵葉書などで今でも大人気の、ご存知江戸浮世絵風景画のシリーズ。
だが、実はこれは、単なる名所の紹介ではなく、
ある意図を巧妙に隠し入れたジャーナリスティックな連作だったのだ。
本書があぶり出すのは、安政の大地震から復興する江戸庶民の喜怒哀楽、
そして安政の大獄や明治維新へとつながっていく江戸末期の社会の姿。
豊富な資料を基に新説を打ち出した、著者一世一代の作。
巻末には本邦初、制作月順の絵索引で全一二〇点を一挙掲載。
1 『江戸百』とは(『江戸百』とは;薙髪の意味 ほか)
2 安政江戸地震と広重を取り巻く人々(黒船来航で「世上物騒」;
「世上物騒」で不景気 ほか)
3 謎解きのひな型(残暑の雪はなぜ?「浅草金龍山」;
場所性と場所の感覚 ほか)
4 謎解き(絵の制作とできごと;なぜ巻頭に?「日本橋雪晴」 ほか)
5 あらためて『江戸百』とは(なにげなさの裏にひそむ謎;
なにげない風景の謎 ほか)
おもしろかったです!
表紙の浅草金龍山が真夏の発売だったのはなぜなのかとか!
近景に名所の象徴、遠景に伝えたかったできごとという推論のもと
話が進むんですけど
本当にそうなんじゃないかと思えるほど事例の証拠が
示されてたのでしっかり読めました
家に芸大所蔵の江戸百景の画集があるので
それも見比べながら
絵の解説はそっちで読めたので2倍楽しめました!
後摺りだったりすると青が赤に変わってたりして驚きでした
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